INFORMATION

 

徳間ジャパンコミュニケーションズ
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  1. INFORMATION
2. WONDER CITY
3. POP UP ! SHAPE UP !
4. CHANGING
5. AFRICAN MARKET
6. HIGHWAY CRACKER
7. INFORMATION
8. ISLANDER
Sugawara's
COMMENT
おそらくWONDER CITY ORCHESTRAとしての久石譲初のソロアルバム(1982年)。いわゆる久石メロディーといえるものは無く、全体として多彩且つ複雑なリズムを楽しむアルバムといえる。彼の美しいメロディーに魅せられた人にとってはとっつきにくいかなりマニアックなアルバムであろう。

全8曲中5曲が彼のボーカル入りであり、この後発売される「CURVED MUSIC」「illusion」「PRETENDER」でもボーカルを聞くことになる。貴重なのは、作詞を彼が手がけていることにある。2曲目「WONDER CITY」は後のアルバムにも収録される。

使用機材としては、VOCORDER,SH-2,CP-80,MC-4等かなり懐かしい。しかし、これらのシンセ機器がナウシカ等でも多用されるのは周知のとおりである。全体的に民族音楽のようなリズムが多い。彼は、民族音楽に関し、こう述べている。
民族音楽はもともと最初から好きだったんですね。エスニックな音楽が大好きで、そこから得る要素はじぶんの体験外のものなので・・・。と同時に、僕がやってきた「ミニマル・ミュージック」の音楽的な構造が民族音楽と近い要素を持っていますからね。

ミニマル・ミュージックを始めた頃、アフリカ民族音楽のリズム構造を研究したり、中近東のインド音楽に聴ける16拍子の曲や複雑なリズム構成とか、同時にその音楽の時間の流れなど、特殊な時間の流れですよね。気がつくとクラシックの勉強と同じかそれ以上ぐらい、自分の中にエスニック的な要素が色濃く染みついていましたね。
生楽器では表現が難しいと嘆いた彼はシンセを使うことによって民族音楽を実現し、ミニマル・ミュージックを確立した。のちの活躍はご存じのとおりである。このアルバムの前に発売された「ムクワジュ」は入手が困難なようだが、「INFORMATION」は再販されていることもあり、「久石譲の原点」を聞いてみたい方には値段も安いことだし、購入をお勧めしたい。

おすすめ曲
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(1999年5月2日)

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