| 久石譲コンサートレポート |
| PIANO STORIES 2000 Pf solo & Quintet in Hiroshima |
2000年6月17日 |
6月17日に行われた、広島アステールプラザでのコンサートの模様を綴ってみました。でもね、結構記憶容量無いから、かなーり誤魔化しております(笑)是非是非皆様からの「正確な情報」待ってます(^^;
この日は天気予報で「雨」。最悪だと思いながらも、会場へ。今回はここでオフ会も行われました。詳細は別途書くかも。いや、たいぎいから多分書かない(汗)
さて、時間も刻々と迫り、自分は今回一緒に聴くことにした友人を待つことに。もうこの時点で雨はすっかりやんでました。ふっふっふ、やっぱり久石譲コンサートはとってもいいぞって証拠ですよ、これは(謎)
約15分前に入場し、早速プログラムパンフレット(\1,500)を購入。今回のパンフレットはちょっと小さくて、素朴な印象。前回、前々回は割と凝っていたんだけどなあ・・・。それから自分の席へ。
のはずですが、始まらない。まあ、いつものこと。アナウンスがあり、しばらく静寂のひととき。後ろを見るとかなり席は埋まっていました。仙台の醜聞はここでは再現することがありませんでしたね。直前までCM流していたのでかなり心配していたのですが・・・。良かった良かった。
ステージ左側から久石さんが登場、拍手で迎えられました。早速ピアノに向かい椅子に座ります。椅子の位置に非常に気を付けておられるようで、何度も椅子を動かしてベストポジションを探っていました。そしてようやく緩やかに「Friends」を演奏。もうこれ聴いただけで、チケット代6000円の価値はあったと思いましたね。ここから素晴らしい夜がスタートするのであります。続いて、例の田中麗奈主演映画「はつ恋」のテーマ曲を。この時明らかにミスと思える箇所があり、久石さんも「しまった」という顔を見せました(^^;3曲目は「The Wind of Life」。1曲目と共に「Piano Stories II」から。こうしてピアノソロ3曲が演奏され、今回のコンサートタイトルでもある「Pf solo」の表情を見せました。個人的にオーケストラかピアノソロが聴きたいので、今回初めてピアノソロで始まるというそのスタイルにちょっと嬉しくなってしまいました。
ピアノソロの演奏も終わり、拍手で久石さんが迎えられます。
「こんばんは、久石譲です。」(改めて盛大な拍手が)
「今年のツアーは春らしい曲をセレクトしました。また、この間新アルバム、「Shoot The Violist」を出しましたが、それもチョイスしています。これは第2部で存分に楽しめます。次の4曲からはそれぞれ、チェロ、クラリネット、マリンバ、ヴァイオリンが登場してピアノとのデュオですか、お聴きください。まあ言ってみれば居酒屋の親父が自分で、それぞれの楽器がそこにくる客みたいなものです。店にやってきた酔っぱらいが、あるやつは好き勝手に愚痴をこぼしたり、また他のやつは人生を語り始めたりと、バラバラ。同じように結構難しいんですよ、それぞれの楽器と合わせるのは。
まずはla pioggiaをお楽しみください。」
ステージ右側より、メンバーの一人チェロ奏者近藤さんが登場、拍手で迎えられつつ、「時雨の記」からの一曲「la pioggia」を演奏しました。チェロの優美な響きが非常に心地よかったです。続いて近藤さんが退場後、クラリネットの野田さんが登場して「風のとおり道」を演奏。こうして入れ替わり立ち替わり各楽器が入ってきては演奏し、それを久石さんのピアノが待ち受ける、そんなスタイルで4曲。各楽器の"色"がそれぞれ良く出ているなと感じる構成で、面白みがあって良かったです。さて、「風のとおり道」ですが、あの「となりのトトロ」の時代、昭和のあの懐かしい頃を思い出すような、哀愁漂うクラリネットの響きがこれまた良かったですね。この曲の半ばでは「となりのトトロ」の曲も織り込まれ、軽やかなその演奏に、楽しい気持ちにさせられました。
それから、北野武監督映画「菊次郎の夏」テーマ曲「Summer」をマリンバの神谷さんと共に演奏しました。神谷さんもすごかったです、あのチュッパチャップスみたいなスティック(笑)を片手に2本ずつもって、それで演奏出来てしまうのですから。まさに妙技、ですねー。4曲の最後はアルバム「My Lost City」から「Drifting in the City」をヴァイオリンの後藤さんと共に。この後藤さんがホント上手いんですよ〜。初めて行った1997年のコンサートでこの方演奏されていて、アンコールで久石さんとデュオやったのを思い出します。因みに1997年のコンサートではチェロの近藤さんも参加されていました。
前半の最後を締めくくったのは「アシタカとサン」。「もののけ姫」で使われた名曲です。久石さんのピアノソロで始まり、そして終わる満足ゆく構成で第1部がここで終了。久石さんも拍手のうちに退場。
休憩中に花束渡される方が花束を取りに行っていました。前半は本当に時間が経つのが早かったですね。今回は、ホールにある時計表示も演奏が始まると消えてしまい、一体今何時なのか自分の時計を見ないと分からない形になっていました。時間を気にせず、ゆっくりと楽しんで下さいね、という主催者側の意図があるのかもしれませんね。
今度は久石さんだけでなくメンバー4人も登場。マリンバの神谷さん、クラリネットの野田さん、チェロの近藤さん、ヴァイオリンの後藤さん、そして久石さんの順でステージ左側から登場です。初めてメンバーがそろいました。演奏する位置も右から上に書いた順番で並んでおり、マリンバとピアノは後ろの列といったスタイルでした。
「ダダダダダダダ・・・・」と勢いのあるピアノで第2部がスタート。この「794BDH」は「Shoot The Violist」の1曲目ですね。
「後半は、この間「Shoot The Violist」という名前の新しいアルバムを出しましたがその中から演奏します。・・・ミニマルミュージックとはそれぞれのパートが違ったリズムで演奏していくときに、また別の音楽が表れる面白い形態のものです。アフリカのマリンバのリズムを取り入れた、「MKWAJU」そして、「LE MORE」。それから「GRANADA」を演奏します。この「GRANADA」はこれまでのコンサートツアーでは初めての演奏だと思います。」
「MKWAJU」「LE MORE」はすでに勉強済みなので、そこまで違和感を持つこともなく聴くことができました。というか、その心地よさに眠気が発生(苦笑)2時から起きっぱなしだったから、ちょっと睡魔がおそいました(^^;まあ、それぐらいリラックスして聴いていたということですね(ホントかよ〜?)
続いて演奏された「GRANADA」。兎に角カッコ良かった!この曲知らないなあ・・・と思っていたら「地上の楽園」のアルバムにあったんですね。持ってないから知らなかったー。特にヴァイオリンが激しく奏でる部分で悦に浸ってました。ホントにかっこいいぞ!
これらの曲の後、久石さんが「Shoot The Violist」について話されました。
「大好評を頂いている、「Shoot The Violist」についてですが、ヴィオリスト、ヴィオラ奏者を撃てというこれまでとは変わったタイトルを付けています。この中には、「サダム・フセインとヒトラーとヴィオリストがそれぞれいて、あなたの手には銃弾が2つ込められたピストルがあって、誰を撃つか」といったなぞかけが書かれています。
どうしてこういう文章なのかというと、今弱いものと言われている人たちをもっと助けようという訳ではないのですが、もっとそういう弱い人にも注目していこうという思いを込めて、こんな風に書いています。それで、一体誰を撃てばいいのか・・・ですが、答えは・・・CDを買えば分かります(笑)(聴衆も笑)
楽器の上でのヴィオラの役割ですが、今後藤さんにヴァイオリンからヴィオラに持ち替えていただきました。今持っているのがヴィオラです。(後藤さんがヴィオラを上に上げる)ヴァイオリンと比べると少し大きいです。でもチェロ程大きくはありません。(チェロを示す、近藤さんもそれに応じる)ヴァイオリンとチェロの真ん中、それがヴィオラです。ヴィオラはヴァイオリンの5度下を奏でるわけですが、アンサンブルでは普通は第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとなります。ヴァイオリンがメロディなどで目立ちますし、チェロも目立ちます。その中では目立たないヴィオラですが、それでも非常に重要です。良いオーケストラといわれているものはヴィオラが良いんですね。次の曲からはこのヴィオラをフィーチャーした曲を演奏します。
まず、来年の春に公開になる北野武監督最新作「BROTHER」からテーマ曲を演奏します。この「BROTHER」は日英合作の大作で、ほとんどはL.A.で撮影され、もうすでに音楽は出来ています。この映画公開より一足先に聴いて頂こうと思います。」
今回初演となった「BROTHER」なんですが、もう忘れちまいました(汗)新曲ってなかなか覚えていないものですね・・・毎回の事ながら。その後、マリンバとクラリネットは退場し、定番曲「Two of Us」を演奏。何回聴いてもこの曲はいいですねー。
「この春にコンサートツアーをやった後、秋から冬にかけて映画を撮ります。これは映画の音楽を作るというよりも、映画を作ります。(盛大な拍手が送られる)
タイトルは「カルテット」です。ある青年がオーディションを受けますがそんなにうまくいくはずはないわけで当然落ちて、取りあえず会社に就職します。でもなんとなくつまらなくてやめて、人を集めてもう一度オーディションに挑戦するという24〜6歳の青年を中心に描いた青春映画です。今出演者を決めているところで、大体が決まりました。これも来年春公開だと思います。是非、見に来て下さい。(盛大な拍手)
それから今後の予定について、お知らせしたいと思います。その後、秋にはフランス映画の音楽をやります。英語名では「ワンス・アポン・ア・タイム」で(良く聞き取れなかった^^;;)、フランス語だと・・・・(実際は"Le Petit Poucet"らしい)何がなんだかわかりません(笑)日本人は僕一人であとはみんなフランス人という本当にフランスの映画の音楽を手がけます。これは来年にはヨーロッパを中心に公開し、日本でも公開するかも知れません。
それから、来年は宮崎駿監督最新作「千と千尋の神隠し」の音楽を作ります。「もののけ姫」に続く監督が作りたいと前々から言っていた作品です。これは来年の夏公開です。きっと来年には「もののけ姫」に続く話題作になっていると思います。
「カルテット」と同じく見に来て下さい(拍手)
なんか、宣伝ばっかりですみません(笑)(会場もウケた)
最後の2曲は「Les Aventuriers(レヴァンチュリアス)」、冒険者、そして「Kids Return」です。お聴き下さい。」
これらの曲がフルメンバーで演奏されました。
演奏後、盛大な拍手がメンバーに送られました。拍手に送られつつ一旦退場。しかし拍手は全然やむ気配がありません。そう、アンコールだ、アンコールやってくれ〜と、そう聞こえてくるようです。すると、久石さんが再び登場され、拍手はいっそう大きく、激しいものとなります。
久石さんが「今日のメンバーを紹介します!」と一人一人演奏者を紹介し、各々出てくる度に盛大な拍手が送られます・・・!
「彼らは日本を代表するトップアーティストです。盛大な拍手を!」との久石さんの言葉に、改めて大きな大きな拍手が彼らに注がれたのでありました。一礼して、メンバーは退場しますが、それでも拍手はやみません。全然やみません。アンコールやって欲しいよ〜!
と思ったら、左側よりもう一度、今度は久石さんだけ登場し、ピアノだけにスポットライトが当たります。
この時かな?コップの水を飲み干してしまったのは?静寂の中・・・「HANA-BI」を。演奏後、またもや盛大な拍手が。それと同時にどどどどど〜っとこの時といわんばかりに花束娘、花束男が一斉にステージ前に集結!すごい、今回は多い・・・多いぞぉぉぉぉぉ!!30人位はいたに違いありません!(山ちゃんによれば40人?)その中で、ミキさん、くーさん、みかんさん、まにゅさんも、花束を手にステージの方へ行かれました。各人がプレゼントと握手、久石さんと少々のメッセージを交わす間、今回は昨年にもまして長い時間でありましたがずっと拍手が送られていました。
一旦久石さんの手が花束とプレゼントでいっぱいになり、スタッフに預けられましたがまだまだファンはいっぱい。2回目もいっぱいに。ちょっと茶目っ気を見せて久石さん、これでもう終わったなみたいな素振りを見せ、うぉ〜まだあるよ〜と言わんばかり。ホント嬉しそうです。3回目もいっぱい。これで縦の列に並んでいた方が終わり、久石さんようやく終わったなみたいなそぶり。でもまだステージの横に広がった列が少々・・・。全部で手に4回分沢山の花束などが。盛大な拍手がまだ送られています。
久石さんがマイクをとりその拍手が一旦スッと消え・・・。
「以前国体の音楽を担当させてもらってから、毎年広島でコンサートを開いていますが、広島の人たちはいつも歓迎して下さります。ここに来ると、音楽をやってて良かったなと、本当に思います、ありがとう。」との嬉しい言葉に会場は再び拍手、拍手、拍手!
メンバーも勢揃いし、アンコール2曲目へ。
何が演奏されるかな・・・と思ったら「MADNESS」が。うーん、やっぱりこの曲は逃せませんね(^^)激しいテンポのノリのいい曲に酔いしれます!
その後、また盛大な拍手!もうどれぐらい拍手しただろうか・・・!
ここで、ついに・・・ついに起きたのです!オールスタンディング・オベーションが!横を見るとぽつぽつと立っておられ、もー自分も立つしかない!と自分もあわてて参加!あわてたもんだから、パンフ等が下に落ちそうになりました!今回のスタンディング・オベーションは非常に・・・ホント自然な形でしたね!ここまで広島会場が盛り上がりを見せたのも一昨年以来か?いっそう強い拍手で、今回の公演に感謝を示しました。
久石さん達が退場しても、この拍手はやみません。それで、また久石さんが登場されました!今度はメンバー全員が楽器を持って出て、一礼。おおっ、もしやアンコール3曲目か?と期待を寄せていたのですが、皆さん退場されました(^^;
それでも・・・それでもまだ拍手は続いたままです。一部の方はもう終わりかなーなんて思っておられたようで、また久石さんが出てこられてちょっと笑いがありました。あわせて3度登場され、今度こそ本当に終わりですよ、と手を振って、ステージ左側へ久石さんは消えていきました・・・。
終わりのアナウンスが。会場も照明がつき、3曲目のアンコールは残念ながらありませんでした。しかし、あるのではないか?と思わせるほど今回は盛り上がっていました。あっと言う間の2時間20分。素晴らしいひとときを堪能させていただきました・・・!
今回、ミキさんのご厚意により、一緒にチケットをとっていただきました。1階12列23番。ここ、本当にベストポジションでした。この会場は6列目から始まっていて、実質的には7列目という前の席で、しかもちょうど鍵盤が見える位置。久石さんの流れるような鍵盤裁きをしっかり見ることが出来ました!ミキさんに改めて感謝です〜(^^)
それにしても、広島会場しか行ったことないですが、この会場はいつも熱気があるみたいです。明らかに花束や握手をしに行く方の数も昨年に比べて増えていましたし、何よりもスタンディング・オベーションがホント自然に起きたことはその現れですね。自分、いつ立とうかとやきもきしていたんですが、いやー良かったです。
最近joehisaishi.comの公式BBSで「ナウシカ、49歳」さんが久石さんご本人ではないか?という話題が駆けめぐっておりましたが、実際今回うちのサイトで集まった花束渡すメンバーの報告によると「あはは〜」と笑って誤魔化されたみたい。でも、その後こんな書き込みもあったことだし、100%間違いないですね、ね?久石さん?
疲れた! 投稿日 2000年6月19日(月)00時53分 投稿者 紅の豚こつラーメン49才 .
本当は福岡のコンサートが終わってからこの名前で書くつもりだったが、バタバタの日々のため広島の後になってしまった。しかし、疲れた!ピアノの横に置いてある水入りの大コップを舞台上で空にしたのは初めてだ。明らかに脱水症状、風邪もひいて調子最悪だ。それでも広島のフアンの皆さんは大声援でバックアップしてくれた。多謝、多謝。鳥取もまずまず成功で前半戦は終わった。で、今日東京に帰ってから映画【カルテット】の出演者のオーディションを行った。チェロの愛ちゃん役だがプロ、学生のチェロ奏者からの新人抜擢だ。最終選考の7人が演奏し、セリフの一部を演じたがまずまずの粒が揃っていた。ほぼ、意中の人は決めた。明日のロケハンはキャンセル、全体ミーティングに備える。まずは体調を整えることと、東京公演に向かってピアニストとしての調整に専念する。23日を楽しみにしてください。じゃあ〜また!
(以上、joehisaishi.com公式BBSより転載)
全然疲れているそぶりを見せず、広島での日程をやり遂げた久石さんに感謝ですね!
オフ会ではすごい人にも出会ったし、今回はいろんな意味で素晴らしかった!また、来年あることを楽しみにしたいですね。
長い駄文でしたが、ここまで読んで下さって本当に有り難うございました!良かったら感想などをお聞かせいただければ幸いであります。フォーラムの「久石譲の部屋」に感想などをお書き下さいませ。よろしくお願いします。
(初出:2000年6月19日 )
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