久石譲コンサートレポート
PIANO STORIES '99
Ensemble Night with Balanescu Quartet
in Hiroshima
1999年11月1日


はじめに

11月1日に広島郵便貯金会館で行われた、久石譲コンサートの模様をレポートに早速してみました。
(記憶がすでに不確かだったりします。さっきあったばかりなのに(苦笑)睡眠不足がたたったかも・・・。メモ書きとか一切なしで頭の記憶だけでやってるので、こーゆーことに(汗)間違いなどありましたらどうぞお教え下さい・・・・)

模様回想

18:30 開場

今日から11月。の割にはそこまで寒くない夜。そうは言いつつも日中との寒暖の差は激しいなと感じはします。今日は天気もぐずついていて、これは雨かな・・・とか思っていたのですが、夕方までには雨は上がっていたようです。傘持ってくるのは面倒なので良かった良かった。

18:16ぐらいに到着したのですが、もうすでに100人ぐらいは並んで開くのを待っていました。うわー沢山だなあ・・・。でも、今回はちょっと少ないような気もしないでもない・・・。

18:30になり、前の方でTSS(だろうな)のスタッフが拡声器を持って案内。遠くにいる人には良く聞こえないと思いますが(^^;まあ兎に角すんなりと入場できました。去年はかなり混雑していたのに、今年はすかすか〜って感じがします。プログラムパンフレット(\1,500)もすんなり買えたし。会場の規模もあるのかもしれませんが、今年は割と不人気なのかも。

CDとか売っているのも見ましたけど、めぼしいものはやはり見つからず。ほとんど持ってるし(爆)ただ、楽譜が結構あったようには感じました。あと・・・後から知ったのですが、ワインも売っていたらしいです(笑)しかも5000円だとか。買う人いたんでしょうか?(休憩はいるときのアナウンスでもそういえばこれ、宣伝していたなあ・・・^^;;)

19:01 開演

「ブー」という音共にアナウンスが。この音っていっつもビックリします(^^;

19:05 登場

数分して各演奏メンバーが登場。右手に弦楽四重奏団バラネスク・カルテット(右からバイオリン・バイオリン・ビオラ・チェロ)の面々が、それから各々のパートも登場しました。左手にはウッドウインド(サックスとか)が二人。奥はコントラバス、そして奥右手はマリンバとパーカッション。奥左手はマリンバが。今回は2台のマリンバがありました。久石さんも合わせて10名の奏者がいます。

今回のコンサートは何となく静かなような気がします。各メンバーがでてくる間、とっても静か。拍手はぜーんぜんなかったです。最後に左手から久石さんが登場、ようやく静けさから一転、拍手で迎えられました。


まずはじめに、「794BDH」が演奏されました。2年前のコンサートでもアンサンブルで演奏されましたが、今回はなんか音の厚みが違う!やっぱり右側にいるバラネスク・カルテットの存在も大きいのか?非常にリズム感と迫力のあるこの曲はまさにこのコンサートを始めるにふさわしいものでした。

続いて北野武監督から「Sonatine」。青っぽいライトが久石さんだけに当たり、彼のピアノソロでこの曲は始まりました。徐々に各パートが入り・・・最後はまたライトが久石さんだけに。ピアノソロでこの曲を締めました。うーん、かっこいい。

19:20 風邪引き久石譲

演奏後、拍手で迎えられ、マイクを手に持ち話し始めます。
「広島の皆さん、こんばんは、久石(ごほっごほっ)
・・・久石譲です。盛岡・仙台と・・・寒いところで風邪を引いてしまって、この間病院に行って注射もしてもらったんです。演奏が熱っぽいときと変わらないのがショックでした(笑)でも、今は熱はなく、声がこのように変なだけです。」

結構笑顔が多かったので、てっきり元気だと思っていたんですが・・・。でも、体調の悪さは今回はあんまり感じることがありませんでした。

今回のコンサートでは更に一つのパートを追加したそうで、楽譜の書き下ろしが余儀なくされたとか。この変更によって更にパワフルな演奏になりました。こうしたトークの後、「Modern Strings」が演奏されました。パンフレットでは「New Modern Strings」と銘打って改訂されたものであることを強調していました。コンサート中では特に"New"って言われませんでしたけどね。因みにここ、プログラムでは「Venus」になっていたので、最初は勘違いをしてしまいました・・・CDを家に帰って聴いたときも、「え?これだったっけ・・・」っていまいち確信が持てず、後から指摘されて正確なものにすることが出来ました。いやー気になっていたうろ覚え箇所が直って嬉しいです。Thanks! 久坂さん!


「続いて演奏するのは、MKWAJU(ムクワジュ)から、「MKWAJU」と「TIRA-RIN」です。
東アフリカの民族音楽を元にしたこの曲は、簡単なフレーズを基に何度も繰り返される形で各パートごとに演奏されて、それが重なったり、バラバラになったりします。そういう風に書いてあるんです。しくじったとかではありません(笑)。わざとそうなっているのです。」

この二つの曲が演奏された後、バラネスク・カルテット以外のメンバーは退場。久石さんの説明が。
「去年、京都の醍醐寺音舞台で、ニューヨークシティバレエ団やディープフォレスト、そしてバラネスク・カルテットが参加するコンサートをやりました。この時相性が合っていて良かったので、今回のコンサートで彼らとツアーを組みたいとお願いしたところ快く受けてくれました。バラネスク・カルテットは弦楽四重奏団です。弦楽四重奏曲などの有名なクラシック曲を受け継いできています。しかし彼らはそれだけでは飽き足りずと言うか、更に新しいものに挑戦すると言った形で、クラフトワークなどをやってきています。
そんな彼らが作ったオリジナル曲「EAST」を聴いて下さい。」

久石さんは退場し、バラネスク・カルテットのみによる演奏が行われました。とっても速いテンポで激しく弦をかき鳴らす、そんな感じの曲です。

この曲が終わり、改めて久石さんが登場。また、バラネスク・カルテットのメンバーのうち第二バイオリンとビオラの奏者は退場しました。そして、バイオリン・チェロ・ピアノの三重奏で「TWO OF US」を演奏。とっても心に染みわたるお馴染みの曲ではありますが、彼らの弦の音が心地よかったです。尚、この曲はプログラム順では最後の方だったのですがかなり入れ替わってきています。

「広島出身、大林宣彦監督の「ふたり」という映画のために書いた曲です。この曲はよく聴く曲だと思います。TVで感動のご対面シーンで勝手に良く流れています(笑)20年来の親友にご対面・・・たらららぁ〜とか(笑)あんまり多いから「バラ色の珍生」っていう番組のテーマと思ってもらったら困ります、これは「ふたり」の為に書いたんですから・・・「TWO OF US」という名前の曲でした。」

これってそういえば2年前のコンサートでも言っていたような気が・・・やっぱり意図していない形で知られるのはいやなんでしょうね。それにしても無断で使うなんてなかなかすごいですね(^^;

そして次の曲へ。
「ニーノ・ロータという人が書いた「太陽がいっぱい」を僕が自分なりにアレンジしてみました。これは去年出した「Nostalgia」にあるんですが、この曲は5拍子でしかもタンゴ調という珍しい曲です。それから、冒険者という意味の「Les Aventuriers」を続けてお聞き下さい。これが前半最後の曲となります。

これらの2曲が演奏され、15分の休憩に。

20:11 第2幕、開始!

メンバーは誰も出ず、久石さんだけがとことこでてきて、ピアノの前に座り弾き始める。さっきまでのアンサンブルの力強い演奏とはまた趣の異なるとても心に響くピアノのみの音。「アシタカとサン」が演奏された後は「HANA-BI」も演奏されました。

DEAD Suite

「1999年、21世紀は正確には2001年からなのでまだあるのですが、それでも世紀末だと感じることが沢山あります。それで、この時に自分も何かを残さなくては・・・それで今回「DEAD組曲」を作りました。「死」とか「孤独」をテーマに書いてきたんですが、「死」だからといって暗いかと言ったらそうじゃない。人間生きてくれば必ず死ぬわけで。今を精一杯生きることが大事だと思います。この曲ですが、これは”DEAD”を直すと「レ・ミ・ラ・レ」。この音が基本になっていて、これを展開していくと・・・例えばこんな風に(とピアノを実際にたたいて例を示す)変わっていきます。今回の曲はそのうち2曲。最終的には4、5楽章になると思います。来年の4月か5月あたりに発売できると思うので、興味があったら聞いてみて下さい。」

こんなトークの後に「Movement 1」「Movement 2」がそれぞれ演奏されました。前者はより現代音楽的な、とても速いテンポの曲、そして「愛のテーマ」である2曲目はメロディアスな要素もちょっぴりあったりして良かったですね〜。

それにしても今回は「MKWAJU」といい、この「DEAD Suite」といい、いつもとは違う濃いぃぃぃぃ〜プログラム。メロディー中心の曲になれきった人にとってはかなりきつそうです。そんなこと誰かが言っていたのは本当ですね。

終盤へ

続いて「DA・MA・SHI・絵」へ。
「これも先ほどのMKWAJUと同じく、だんだんとある時は一緒になったり、またバラバラになったりする形態の曲です。とっても明るい曲です。それから、今年公開された北野武監督作品「菊次郎の夏」より、「Summer」をおおくりします。これはいつものバージョンとは少し違って、同じ北野武監督作品で最初に関わった「あの夏、一番静かな海。」のフレーズが挿入されたおもしろいバージョンです。聴いて下さい。」

この「Summer」は個人的にとても気になっていた曲の一つです。CDは持っていないので、MIDIデータ以外の形で聴くのは初めてです。最初の駆け出しの所がマリンバで表現されているのは意外だなと思いました。曲の最後の方で、バラネスク・カルテットのメンバーが「あの夏、一番静かな海。」のメロディーを奏で、なんともいえない雰囲気の演奏になりました。「ああ〜」って感じ(なんじゃそりゃ)。

「アンサンブルであろうと、オーケストラであろうと、コンサートの際必ず演奏する曲ですが、「Tango X.T.C.」をお送りします。そして最後に「Kids Return」を演奏します。」

どちらの曲もお馴染み。「Tango X.T.C.」って毎回やっていたんですね。知りませんでした、はっはっは。でも確かにいい曲なんですよねー。

アンコール、そしてハプニング(笑)

演奏終了後大きな拍手が。一礼して久石さんステージから退場され、メンバーも退場されます。それでもまだ拍手が。しかし今回のコンサートは何となく拍手が弱い気がします。拍手がアンコールまで続くかどうか・・・とか心配し始めた頃、ひょこっと久石さんが再登場!そして、手招きでバラネスク・カルテットのバイオリン奏者バラネスクさん(帽子をかぶっていた人)が登場しました!

久石さんがピアノに前に座り、観客は何を演奏するのかと息を凝らして注目します。久石さんが静かにピアノを弾き始めます。おお・・・「もののけ姫」。バイオリンとピアノによる演奏。哀愁がこのバイオリンから漂っていました。ちょっと音の怪しい部分があったような気がしたのですが、それでも良かったですね。

大きな拍手の後、他のメンバーも登場し、久石さんが各メンバーを紹介されます。そのたびに拍手をもって迎えられます!「一同に、もう一度大きな拍手を」の言葉に観客は大きな拍手で応えます!

「広島の皆さんはいつも暖かく迎えてくれてうれしいです。また明日、この広島にて行います。このメンバーで全力を尽くして頑張ります。」

その後、次のアンコール曲を弾くために椅子に着いたと思ったら、ハプニングが・・・

とことことこ〜っと、花束をもったおばさんが前に登場!すぐに気づかなかった久石さんもようやく気づき苦笑しながら受け取られています。フライング(?)的な出来事でしたけど、その後どこからともなく花束娘達が前の方で列を作り(笑)、花束を渡し握手してもらっていました。しかし今回の場合、この間、拍手が途絶えてしまい、しーんとした中の出来事となってしまいました。「拍手がないとさみしいね」といった意味の言葉を久石さんは言っておられました。すべての花束を受け取り、久石さんが立ち上がると、改めて拍手!拍手!

今一度、アンコール2曲目へ。「MADNESS」を力強く演奏します!ノリにのってるなぁ〜って感じの演奏であっという間に終わりました!演奏終了後、観客から大きな拍手が!礼をして退場されました。まだ拍手とまらず!しばらくすると、久石さん、そしてメンバー一同が一列に前に並ばれ、久石さんの礼と共にみんなも礼をします。まだまだ拍手!もう一度礼をして、久石さん、今度こそ幕の中に消えていきました・・・。

内容の濃い2時間となりました!

21:14 閉演

終わりのアナウンス、帰途へ。

あとがき

一生懸命、チケットとらせていただきました(笑)
ということでファンクラブ会員でなくともかなり前の方をゲットすることが出来ました。今回は1階5列29番。読み通り正に真ん中!久石さんの指の動きが分かる分かる!頭が汗で照かってるのも分かる分かる(笑)でも、バラネスクのチェロ弾いていた方から湯気がでていた(笑)ような気が・・・彼らも暑かったんでしょうか?自分も結構暑かったような気がしたんですけど。前の方の席は良かったんですけど、音響的にはもうちょっと後ろの方が良かったのかもしれません。とはいえ、前だったからこそ花束娘達の会話も少し聴くことができました(^^;;

事情あってあんまり寝てない状態でコンサート行ったもんだから、結構覚えることが出来なかったです。というか、あんまりコンサートレポートのことばかり気にすると良くないですね。今回のものはあんまり良くないかも。あーあ、やっぱり睡眠不足はいけませんね・・・ねむーい。

昨年の非常に盛り上がりを見せたコンサートと違い、今回は今ひとつだったような気がしてなりません。内容的には問題ないのですが、拍手が小さかったような気がするし、どうなんでしょうね。演奏自体は2年前のあの時よりもより音に厚みと迫力があるように感じました。(にしても、「CUBE」はどうなったんでしょうね?(苦笑))

それにしてもお腹空いたー。自分の右横の席ではお婆ちゃまがサンドウィッチを広げて食べ、紅茶を飲むという微笑ましい光景が見られた(笑)のですが、コンサート中に自分のお腹が「ぐぅ〜」とか鳴り出してちょっと困りました(爆)自分もちゃんと食べれば良かったよ・・・でも、6時台にあんまりご飯食べたくないし・・・。ってわがままですね、はい。


長い駄文でしたが、ここまで読んで下さって本当に有り難うございました!良かったら感想などをお聞かせいただければ幸いであります。フォーラムの「久石譲の部屋」に感想などをお書き下さいませ。よろしくお願いします。

(初出:1999年11月2日 )


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