| 久石譲コンサートレポート |
| PIANO STORIES '98 Orchestra Night in Hiroshima |
1998年12月16日 |
この度広島厚生年金会館で行われた久石譲コンサート最終公演に翡翠さんと二人で行くことが出来ました!これはそのレポートです。
(記憶がすでに不確かな点が沢山あります^^;間違いなどありましたらどうぞお教え下さい・・・・)
師走の慌ただしい、少し寒い冬の夜。18:35にはすでに大勢のお客さんが入場しようとしていました。自分は2階席。B列72&73番ということで端っこじゃないかといや〜な予感はしていたのですが、見事に的中してしまいました(^^;案内板を見て・・・はぁ・・・。まあ、しょうがないですね、とあきらめるしかなかったです。
すぐにパンフレット(\1,500)を購入後、自分の席へ。(ちなみに翡翠さんがいつのまにか73番の方−つまり最端−のチケット持ってました、すいません・・・そして有り難う・・・まあ、1席分位では大差はないかもしれませんが・・・)。まだ20分ぐらい時間がありましたが、座って待つことに。
始まる10分前ぐらいからはものすごく緊張していました・・・うわわ・・・これから始まるんだ・・・。
のハズですが、当然のように始まりません・・・前回(1年前)も少し待ったような・・・・。
まずは広島交響楽団のメンバー(約70人)がずらずらっとステージ左前方より入場。拍手で迎えられます。そして最後に指揮者の曽我大介さんとお待ちかね!久石さんが登場!拍手はひときわ大きくなります!!おお〜一年ぶりの"生久"です!!(笑)
すぐに久石さんがピアノの前に座ったかと思うとプログラムの第一曲目「交響詩曲ナウシカ」を演奏し始められました。最初のティンパニ(?)の「ドドドドドーン・・・」音を聴いただけで、ああ、すごいすごい、やっぱり生オケはすごい!!と実感。来て良かった・・・。
鳥肌立つ感動の中、あっという間に約15分ほどが過ぎました・・・・!
演奏も終わり、ここで久石さんトークか?・・・と思ったら一礼して曽我さんと共に左の出口へ。あれれ?(^^;
もしや、調子が悪いのか?!そんな気がしました・・・。
そんなよけいな^^;心配をよそに、すぐに久石さん登場、10月にリリースされたばかりの新アルバム「Nostalgia 〜PIANO STORIES III〜」からチョイスされた曲を演奏。まずは「Nostalgia」。おお〜CDと一緒だぁ(感動)それから金曜ロードショーのテーマ曲「Cinema Nostalgia」を演奏。
それにしても、パンフレットにも書いてあるとおり「曲の創りとしては以前に比べ格段にピアノパートが難しくなってきている」のか、この「Cinema Nostalgia」では明らかにミスと感じるキーが何カ所かありました(^^;;まあ、ホント難しいですよ・・・。Joehisaishi.comのダイアリー等でも明らかになっているとおり、彼はかなり疲れ気味だし、腱鞘炎寸前の状態なのかもしれない。次の「la pioggia」(映画「時雨の記」テーマ曲)でも今度は比較的易しい部分でミスっていたような気がする・・・・(^^;はらはらしながら聴いてました・・・ってあんたは保護者かいな(^^;;
なお、パンフレットには「Nostalgiaから5曲を演奏」となっていましたが、予想通り「Casanova」は演奏されずに「HANA-BI」へ。うーむ。
さて、この「HANA-BI」は同名北野映画のテーマ曲ですが、パンフによるとこの映画がベネチア映画祭で上映された際、記者会見で外国人記者が「音楽がすごくイタリア的なメロディだ」と言われて、「ああ、そうなのかな」と思ってこのアルバム「Nostalgia」でそれを表現しようと思ったとか。なるほどね・・・それでイタリアだったのか、と納得。北野映画では「あの夏、いちばん静かな海。」の「Silent Love」も名曲だが、この「HANA-BI」もとっても秀逸。ピアノソロでもかっこいいと思います・・・今回はオケですが。
演奏が終わり、今度こそ久石さんの声が聴ける!と思ったのに、また出ていってしまう・・・何故・・・?今回は"無言の久石さん"だ?!(^^;
ここで15分の休憩のアナウンス。これまでの曲が非常に良かったのでしばらく無言・・・。何とも表現できない気持ちって所かな?
一応20:00に始まりのアナウンスが。でも、始まったのはそれから5分後です。
再び登場した久石さん、ついに口を開きました!
「こんばんは〜」
「このコンサートの最後を広島で出来ることを本当に嬉しく思っています(このフレーズは毎回ながらの様な気が^^;)
僕にとってオケはとっても好きなものです。オケのパワーが大好きです。・・・
12月16日、今年あったことを思い出す時期です。あんな事やこんな事、そしてあいつと別れたことなど。」
そして話は昨年公開された映画「もののけ姫」についての話題へ。
「お陰様でもののけ姫は多くの人に見ていただいて本当に感謝しています。興業収益も1位になりました。・・・と、昨年10月にもここで言いましたが・・・・そのあとタイタニックが越えちゃいました(会場も笑)こんなハズじゃなかったんだけどな・・・。悔しくてタイタニック今まで見なかったんです。でも、飛行機でちょうどやっていて見てしまいました。まあ飛行機の小さい画面だったので迫力なんか無かったですよ。とはいえ、後半の展開など観客が多かったのもなるほどと思いました。
もののけ姫の英語版も来年公開されるとのことで、こないだ試写会に参加してきました。なかなかいいですよ。一時そのディカプリオが声優としてやるという話がありましたが、契約の関係で出来なかったとか。」
続いて交響組曲もののけ姫から演奏します。一連のドラマの展開をお楽しみ下さい。」
最初に自分がもののけ姫の曲で一番好きな「アシタカせっき」が演奏されました。流石生、耳に伝わってくる厚みが違います!それからパンフレットとは曲順が違いますが「もののけ姫」が演奏されました。この演奏後、拍手と同時に(たぶん)2階席の誰かが「ブラボー ブラボー」コール!ビックリしました(^^;それにしてももののけ姫って久石さんが数分で創られた曲なんですよね・・・この演奏中それを思い出し、そんな短時間ながらこのような素晴らしい旋律が流れているのに感心しました・・・すごいですよ・・・。
3曲目、「TA・TA・RI・GAMI」のあのリズミカルなそしてどこか日本的な所が良かったです。何となくちんどん屋みたいでしょ?(笑)
最後は「アシタカとサン」。ピアノが全面に出た美しいメロディでした。この演奏後も何度も「ブラボー」の声が。ホント、ブラボー!!
プログラムに書かれていた「黄泉の世界」は結局ここでも演奏されませんでした。
久石さん、再びマイクを手に話し始めます。
「今度はちょっと違った、リズミカルな曲をお楽しみ下さい。どれも映画に使われた曲ばかりです。Sonatineは北野映画、Tango X.T.Cは大林監督の作品に、Madnessは元々はソロ用に書いたものですが、宮崎監督がいたく気に入りまして、「紅の豚」の飛行機が飛び立つシーンで使われました。」
まず、「Sonatine」から。続いて「Tango X.T.C」。そうそう、翡翠さんが"X.T.C"ってイギリスのバンド名から採ったのかな?って言ってましたが、本当にそうでしたね・・・すごいぞ、翡翠さん!パンフには「X.T.C(エクスタシー)というグループがイギリスにあって、それがすごくいいバンドだったのと、エクスタシーっていうことばをそう書くのがカッコよかったから」とありました。
プログラム最後の曲「Madness」の出だしのピアノの弾き方が本当に如何にも力強く、本当にかっこよかったです!腱鞘炎なりかけは何のその。最後までたぁぁぁぁ〜っと演奏され、プログラムは終了しました。
「Madness」演奏後盛大な拍手、そしてスタンディング・オベーションが起こりました!見渡す限りのスタンディング・オベーション!皆さん立っておられます!久石さんそしてメンバーに注がれる拍手の中、花束を持った女性が沢山ステージ前に出てこられました。次々に花束をもらい、そして一人一人握手。(あ、一人だけ男の方−と思われる−が花束なしで握手しに(笑))落っことしてしまうほどの花束を頂きいったん外に出られました。この間も拍手はやみません!
すぐにまた久石さんが出てこられ、更に大きな拍手が起こります!まるで"もう一曲お願い!!"と言っているかの様な気がしました・・・と自分も思ってました(^^;;それを感じ取ったのか久石さんピアノの前に座ります。ライトは久石さんだけを照らして。観客は席に静かに着きます。
それから弾き始めます・・・・おおっ「Friends」です!しかもピアノソロ!
何度も弾き違えた箇所があったのですが(これはどうしようもないのかも)、最後の力を振り絞ってピアノを演奏していました。最後、クリスマスサービスらしく「きよしこの夜」のフレーズをちょこっと織り込んで弾き終えました・・・・。
会場は拍手、拍手、拍手!拍手しっぱなしです!久石さんは手を振りながら出て行かれます・・・。ああこれで終わってしまうのか・・・?"いやだいやだいやだ、終わっちゃいやだ〜オケ曲をもう一度・・・"の拍手。手が痛くなるほどの拍手。
これに応えて、もう一度久石さんそして曽我さんも登場、大きな拍手は更に更に大きくなりました!
指揮者が指揮棒を振り始め、・・・・「Asian Dream Song」が演奏されたのでした!そう、長野パラリンピックテーマ曲「旅立ちの時」を。
この曲が演奏されるのは大変ふさわしいことだと思います。久石さんにとってこの1年はとてもハードながらも充実した1年だったに違いありません。今年は長野パラリンピックから始まりました。そのテーマ曲である「Asian Dream Song」が、今ここで演奏され、締めくくるのですから・・・。
さて、ちょっとだけハプニングが。曲の最後の方でいったん演奏がやむ箇所があるのですが、ここでお客さんの一部が最後だと勘違いして拍手が(^^;これから久石さんがソロで弾くというのに・・・。ほんのわずか演奏が止まり、ちょっと苦笑しながらも、気にせずラストまで演奏されました・・・。
それにしても自分にとってこの曲がオーケストラで聴けるのは大きな喜びです!というのも、8月に行われた「JAPAN TELECOM FESTIVAL '98」で演奏されたオケ版「Asian Dream Song」を今ここで聴けるのですから!このコンサートの模様を翌日のラジオで聴き、もう一度・・・出来れば聴きたいと思っていました。それが叶いました。
途中にある、あのうまくアレンジされたピアノソロ部分。あそこが聴きたくて録音したラジオ放送を何度も聴き返していました・・・。ここでも聴けるなんて本当に嬉しかったです。
演奏が終わり、大きな大きな拍手と共に2度目のオールスタンディング・オベーション!
オーケストラメンバー、そして久石さんは外へ。それでも、拍手は続きます。
ちょっとして、もう一度登場!喜びのどよめきとひときわ強い拍手が。手を振りながら退場。それでも拍手がなりやまないのでまたまた登場、拍手をやめるようにのしぐさ(苦笑)。鳴りやみかけますが、まだ拍手は止まりません。今度は手を強く振り"これで最後だよ"と言わんばかりの久石さん。ついに本当に退場されました。
それでもスタンディング・オベーション&拍手が2〜3分は続きました・・・・!本当に素晴らしいコンサートだったことの証です!
終わりのアナウンス、帰途へ。
演奏時の様子や他の情報から推察するにやはり最終公演ということでかなり体力的にも疲れていたのかなと思いました。それでもトークの時一言も弱音っぽい言葉は一言も出ませんでしたね・・・立派ですな(もしかしたらすでに体調も回復していたのかもしれませんが・・・)。沢山弾き違うのは困りものですが、それでも「生」演奏というものはいいですね。とっても満足しています。
そうそう、入場時に渡されたアンケート用紙に開演前、「チケットの値段:高い」にチェックしていましたが、終わったあと急いで「手ごろな価格」にチェックし直しました(笑)十分満足することが出来た約2時間。本当に来て良かったです・・・。次回からはオーケストラではないような気がしますが、機会があれば是非また聴きに行きたいと思います。
(蛇足:ティンパニの人、宮崎さんになんか似てました(笑))
長い駄文でしたが、ここまで読んで下さって本当に有り難うございました!良かったら感想などをお聞かせいただければ幸いであります。フォーラムの「久石譲の部屋」に感想などをお書き下さいませ。よろしくお願いします。
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