久石譲コンサートレポート
PIANO STORIES '97
CINEMA WORKS Ensemble Night
in Hiroshima
1997年10月19日


はじめに

このコンサートレポートは、1997年10月23日に限定公開されたレポートの一般公開バージョンです。一般公開するに当たって、少々訂正した個所もあります。もう2年以上も前のものですがよろしければご覧下さいませ。自分にとっては初めてのコンサートであり、また、久石譲を生で見るという貴重な体験となったコンサートのレポートです。尚、一部わかりにくい表現があると思いますが、そのあたりは当時の「久石譲の部屋」のログを読んでいただくと理解いただけるものもありますし、それでも分からないことがあるかもしれません(笑)御了承下さいませ。


1997年10月19日、nezと翡翠は広島市の平和公園内にあるフェニックスホールで行われた、Piano Stories'97 CINEMA WORKS Ensemble Nightにいくことが出来ました!このページではいけなかった人へその様子をご紹介します。

模様回想

17:00 開場

17:15、平和公園内のフェニックスホールに到着。中にはいるとすでにすごい行列が・・・・
で、やっと入場して、すぐに(終わったあとからだと混むかなあと思って)パンフレットを買いました。その際のエピソードは翡翠さんがすでに語っていますが、ちょっとばかし違います。5000円を渡したら、「すいません、500円はありますか?」と言われたので計5500円を渡しました(パンフは1500円・・こんなもんでしょうか・・・値段・・・初めてだからよく知らない・・・)。だから、500円がなかったわけではない(細かい?^^;)。で、オオボケかまして、お金だけもらって去りかけたわけです(^^;;このとき、「いいネタだあ〜」みたいなことをいっていましたが、本当にネタにしちゃったのね(笑)いや〜やられたなあ(^^;
で、トイレに行きたかったんだけど、時計を見たら17:28だったので、諦めて我慢しました(^^;

<パンフレットの簡単な紹介>
全24ページのちょっとだけ厚い紙で出来たオールカラーのパンフレットです。

久石譲についての簡単な紹介・今回のコンサートのメンバーについて・コンサート日程・プログラム・オリコン社長の話・もののけ姫/「WORKS・T」のレコーディング記・今まで関わった映画作品の表・CD等の紹介など。

17:30 開演

自分の席はAブロック9列20番。まさに左右に寄ることなく、まさに真ん中。9列目なので聴くにちょうどいいポジションです!
予定では30分からだったのになかなか始まりません。ま、そんなもんでしょうね・・。

17:40 登場

40分になり、いよいよ開始。
最初にパーカッション担当の福島さんが登場し、ひきはじめる。それから、一人一人出てきて・・・・最後に久石譲(本物^^)登場、ピアノを弾きはじめる。なかなか、粋な始まり。

ストリングス系は右側に、マリンバは左後方に、ウッドウインドは左前方。コントラバスは右後方だったかなあ・・・?パンフレットには「同じメンバーによる昨年のステージ」てことで写真が載せられているのですが、広島でもこんな感じでした。ただ、中央のピアノを弾く久石譲はこの写真ではバンダナをしていますが、今回のコンサートではついに(?)つるつるのまま(笑)でコンサートに臨んでいました。ついに諦めたか?(爆)、久石さん(^^;;;(失礼なやつ・・・)

MKWAJU

最初の2曲は、アルバム「MKWAJU(ムクワジュ)」から。アフリカのリズムを取り入れた、ちょっといわゆるミニマルな感じの曲。「MKWAJU」と「TIRA-RIN」が演奏されました。その後、アルバム「I am」にもあった、「Modern Strings」が演奏されて、感動(T_T)嗚呼、コンサートにやってきたんだ・・・・

「広島のコンサートは1年ぶりです。また、皆さんにお会いできてうれしいです。」みたいなことを、久石は話す。え?去年もきたの?が〜ん・・・しらんかった・・・・ま、今回のコンサートがあることはインターネットで知ったことだし、ホント感謝。

宮崎駿監督作品より、『もののけ姫』

今年は映画に明け暮れた年。それで今回は、「CINEMA WORKS」と題して、3人の映画監督からそれぞれ選んでもらって、演奏するらしい。ということで、最初はもちろん宮崎駿監督作品から「映画・もののけ姫」で使われた曲を。

最初に「アシタカせっ記」。おおお、ついに来た!やっぱりいいわぁ〜"もののけ"の音楽はすっごくいいことを再確認。でも、ちょっと人数が少な目(3人だったかな?)だったので、重圧さに欠けたのが残念。でも、すごくよかったですよ。その後、「もののけ姫」、「アシタカとサン」。「アシタカとサン」は翡翠さん大好きなんだよね〜たしか。ピアノ中心ですっごくよかった!この3曲、一曲毎にメンバーが増えていって、「アシタカとサン」では7人全員演奏してました。

大林宣彦監督作品より

次に、大林宣彦監督作品から、「はるか、ノスタルジィ」より「Tango X.T.C」と「ふたり」より「Two of Us」を演奏しました。私自身は、LA調にアレンジされた「Melody Blvd.」で、聴いているだけなので、普通のはこれがはじめて。「Tango X.T.C」はこれが初めてです。嗚呼、3日たった今日現在、すでに記憶は薄れ(^^;;;コメントなし(笑)

今回出た「WORKS・T」は、ファンから今までずっと要望があったそうです。いつか、久石自身もロンドン・フィルとかでやりたかったそうです。でも、なかなか踏み切れずにいた。しかし、今年は映画の仕事が沢山あって、実現するのにちょうど良い機会だというので、今回このロンドン・フィルによる「WORKS・T」を出すことが出来ました。

それにしても、一曲ひく度に久石は汗を拭っていました(^^;もしかして、無茶苦茶汗かきなのかな?それであんな風に(笑)大林宣彦監督作品の2曲が終わったあとの15分ほどの休憩の時にそんなことを翡翠さんと話していました(笑)

北野武監督作品より

15分の休憩後、後半のプログラムが始まりました。あの北野武監督作品から4曲が演奏されました。

「あの夏、いちばん静かな海。」「Sonatine」から、続けて「Silent Love」「Sonatine」が演奏されました。普段思うのですが、あのお笑いの"たけし"から考えるとアンバランスな様な気が。でも、彼の作る映画はそんなんじゃない。きっと、全く久石の音楽とマッチした作品なんでしょうね・・・(^^)みたことないので何ともいえません。私は"ビートたけし"はあまり好きではありませんが、彼の才能はすごいと思うんです。昔、「彼は、すごく勉強家だった」みたいなことを聞いたことがあります。お笑いやるには頭が良くなくては出来ませんから。今回金獅子賞(グランプリ)を取った「HANA-BI」ってどんなんだろうか・・・ちょっと気になります。

久石さんは非常に北野監督をほめていました。ベネチア国際映画祭で賞を取ったわけですが、向こうの人はほめるときはほめる、つまり態度がはっきりしている、と。「HANA-BI」の際もそうでした。暴力的シーンになると「オゥ!」と立ち去っていく人がいる。でも、残った人たちは見終わったあと、拍手が10分も続いてやむことがなかったそうです・・・。

ちょっとのトークのあと、「HANA-BI」から、まだCDも映画もやっていない中、このコンサートを聴きに来た方だけが聴くことができた「HANA-BI」を演奏されました。その後、「Kids Return」より「Kids Return」も演奏されました。

「CUBE」として・・・

なんか、「このメンバーでいつかまとまったこと(CDを出す)をやりたいと思っています。」そう語っていました。そして、ユニット名「CUBE(キューブ)」として・・・・。彼らの得意とするミニマル・ミュージック。その顕著な例として、昔MAZDAのCFに使われた「794BDH」を演奏、まさに小さなリズムの繰り返しを改めて堪能。それから、「Piano Stories II」にも収録されている、「Les Aventuriers」を演奏。非常に勢いのある速いテンポの曲です。

「ついに最後となりました・・・・」と来年のパラリンピックのテーマソングになっている「Asian Dream Song」を演奏しました。この曲は元々「Piano Stories II」に収録されている曲で、これにドリアン助川さんが詩を担当し、BOOMの宮沢和史が歌う。この3人でやることを「ちょっと変わったトリオ」みたいなことを(だったっけ?)いっていたような気がします。今回は演奏なので、ボーカルはありませんでしたが、いいですよね、この曲。

どのあたりでいっていたのか忘れましたが、「人は物質的なものでは満足できないのではないかと思う・・・。みんなが一緒に・・・(忘れた^^;)」と言われた言葉が非常に印象的でした。

この曲をもって、すべてのプログラムは終わりました。
と思ったら、さーっと花束とかをもった女性たち(以下、花束娘^^;)がステージ前に10人ほどかけってきました。素早かったです、花束娘たち・・・おばさんもいたけど(笑)みんな久石さんに握手してもらって、花束とか何かが入った袋を渡していました。みんな感激している模様・・・。その間、ずっと拍手がなりやまない・・・・すごい・・・。

久石さんは一度ステージから退出、でもまだ拍手が・・・・・

感激のアンコール!

全然拍手がなりやみません・・・手が痛くなるほど僕も翡翠さんも拍手していました・・・(TT)

と、久石さんがまたもや登場、拍手はさらに大きくなります!向こうからヴァイオリンの後藤さんが出てきて握手。久石さんはピアノに座り・・・この二人がアンコールとして・・・・なんと「The Wind Forest」を演奏。となりのトトロのあの曲です!

これがすごく良かった!たった二つの楽器ですが、でも非常に感動しました!!こころの中で大喜び!「Piano Stories」はやっぱり最高!うるうるものだ!!!

演奏後、メンバー紹介として、まず、ヴァイオリンの後藤さんを紹介。それから、ヴァイオリン・ビオラ・コントラバス・ヴァイオリンチェロのそれぞれ杉浦さん・桑野さん・斉藤さん・近藤さんが一人ずつ登場、それぞれ紹介と共に拍手が。

それから、アンコール2曲目が演奏されました!しかし、この曲名が分からない・・・菅原さん分かります?あの「XXXXXX」のことですか??でも、これも良かった・・・良かったばかりだけど本当に良かったんだもん・・・(^^)

3曲目のアンコールの前にさらにパーカッション・福島さんとサックス・吉田さんが登場・拍手と共に紹介。拍手がなりやまないので、久石さんが両手をあげてそれを制止(^^)拍手ぴたっっとなりやみ、「本当にこれが最後です(笑)・・・MADNESS!」会場も少しの笑いと共に、拍手!そして、本当に本当に最後になった演奏に聴き入ります。そして、紅の豚で使われた曲「MADNESS」(「WORKS・I」にも収録)を演奏したのでした・・・・MADらしく、ちょっと赤目のライトで(^^;


演奏後、再び盛大な拍手が・・・!そしてメンバーはステージから退場・・・久石さんも退出・・・これで終わりか・・・と思ったら、久石さんが出てきてお客さんに一礼、本当に盛大な拍手が送られました!また去っていかれ・・・終わったかな?と思ったら(一部の人はそう思って帰りはじめていた・・・)メンバー全員が再び登場、一礼されました。退場・・・・本当にこれで終わりだなあ・・・と思ったら(さらに一部の人は帰ろうとしていた)、なんと!3度も登場!!!!もう一度礼をして客席に手を軽く振りつつ(本当に^^)去っていかれました。その間、ずっと拍手、拍手、拍手だった気が・・・手が真っ赤になるほど拍手しました!

なんか、ファンもそして久石譲自身もこのコンサートが終わることがすごく惜しい気持ちでいっぱいだったのでは?と、今そんなことを思ってしまいました・・・。

2時間20分に及ぶコンサート。まさに、感動の一夜となりました・・・!

20:00 閉演

コンサートも終わり、外に出ました。
平和公園を通って、翡翠さんが見たいような感じでしたので、原爆ドームをちょっとだけ見て帰りました。夜の原爆ドームはライトアップされて、非常に綺麗に見えました。戦後52年、今も尚世界のどこかでは戦争や紛争が行われています・・・・。

あとがき

以上、簡単ながらコンサートのレビューを書かせていただきました。あんまり雰囲気をお伝えできなかったのが残念・・・文章能力ないし、おまけに数日後に書いたものだから忘れかけてて・・・・でも、できるだけがんばってみたつもりです。フォーラムの「久石譲の部屋」に感想などをお書き下さいませ。よろしくお願いします。

(初出:1997年10月23日 )


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